試合でベンチがしてはいけない声掛けと、狙い球の考え方について
目次
はじめに
バッターは大まかに分けると2種類のタイプに分けることができます。
① 基本はストレートのタイミングに合わせて、変化球に対応していくタイプ
② 狙い球を絞って打つタイプです。
2ストライクに追い込まれるまでは、8割以上のバッターが上記2パターンに当てはまると思います。
今日は②の狙い球を絞って打つタイプの方向けに記事を書いていきます。
バッティングに技術があるように、狙い球を絞るのにも技術が必要です。
プロ野球の世界では、相手ピッチャーの傾向や狙い球を絞るために「スコアラー」という方が専属でいるほどです。
プロ野球は何千球という膨大なデータから、狙い球を絞っていきます。中学野球にデータはほぼないので、簡単な考え方をご紹介していきます。
※中学生におすすめの記事となります。
狙い球の絞り方
狙い球を絞れとよく言われます。
では、プロ野球選手たちはどのように狙い球を絞っているのでしょうか。
ホームベースを横に5分割します。
インコースからアウトコースまで順番に1~5の数字をつけていきます。
右バッターも左バッターも手前から番号を振っていきます。
このホームベースを5分割して考える方法はプロ野球でも使われてます。
バッティングコーチや監督をやっている方は、この番号をつける方法をチーム全員に徹底させてください。
狙い球を絞る際に、チームとして共通言語になります。
共通言語を設定すれば、選手は理解しやすいですし、言葉のミスが防げます。
番号の振り方はわかっていただけたと思います。
次に、どのように投手攻略に生かしていくのかを説明いたします。
試合時の実際の使い方
ここでは2つの局面を例に紹介します。
例 1
中学野球
右ピッチャー
球速 128~133㎞
球種 ストレート、スライダー、フォーク
アウトコースのコントロールはまずまず
インコースの厳しいゾーンに投げてくるボールに、自チームのバッターが手を出してしまい打線は全体的に差し込まれ気味。
このような状況でチームとしてできる対策は、インコースのボールは捨てることです。
インコースを捨てることができれば、選手はアウトコースに狙い球を絞ることができます。
このときに具体的に出す指示は、4番に目付して、1番を消す
※目付とは投手のボールがこの辺にくるであろうというのをイメージすることです。
まず、インコースで苦労しているバッターたちの頭の中から、1番を消してあげます。
これでストライクゾーンは2~5番までに絞ることができました。
後は、4番の甘いアウトコースにボールが来ることをイメージ(目付)して打ちにいきます。
この時、バッター陣には、インコースに良いボールがきて見逃し三振してもコーチの責任だとはっきりいってあげることです。
例 2
高校野球
左ピッチャー
球速 132~138㎞
球種 ストレート、スライダー
バッター 左打者
得意な球はスライダー
アウトコースのストライクゾーンからボールになるスライダーに手を出してしまい凡打、空振りが多くなることが予想される。
このときに出す指示は、5番を消して、4番から内側に来たボールを打つ。
アウトコースの厳しい5番をバッターの頭の中から消してあげます。
5番を消してあげることで、ストライクゾーンからボールになるスライダーに手を出す確率は下がります。
5番にストライクゾーンのストレートがきてバッターが見逃してしまったらしょうがないと割り切ることです。
ホームベースに番号を振ってあげることは、バッティング練習でも良い効果をもたらします。
おすすめの練習方法
調子が悪いときは、ボール球にも手を出してしまうから、1、5には練習から手を出さない。
2番のインコースを逆方向に打つ意識でバットを内側から出す練習をする。など自分でいろいろ使い分けてください。
バットコントロールが良いといわれる選手は、どこのコースにきても、思い通りの方向に打球を打ち分けることができます。日頃の練習から意識してやってみましょう。
試合でベンチがしてはいけない声掛け
ピッチャーのボールが高めに抜けているときに、コーチ、チームメイトが「高めに手を出すな」と声をかけることがよくあります。
これは逆効果です。
高めに手を出すなと言われると、意識はますます高めにいきます。
このような時は、低めはボールゾーンまで打っていいぞという方が効果的です。
ゴルフで例えます。
左OBのホールのとき、頭の中で「左OBはいやだな」と思って打つと、大概左OBに打ち込みます。左OBは頭から消して、「右は広いから大丈夫」と思ってあげましょう。
高めを意識から消して、低めに意識をもっていくには、声掛け以外にも自分で出来る効果的な方法があります。
好投手と対戦するときの心得
バッターボックスに入るときに、ヘルメットのつばをいつもより深くしください。こうすることで、いつもの視界から高めのボールを物理的に消してあげることができます。つばを深くしても、高めのボール球が視界に入ってしまう選手は、構えた時の顔の角度が上に行き過ぎている可能性が高いです。
顔の角度が上になるのを防ぐ方法は、一度、ピッチャープレートに顔の向きをあわせてから、目線だけ投手をみるようにしてください。
顎のしまったスマートな構えにすることができます。
まとめ
今日は、ちょっと高度な狙い球を絞るお話をしてきました。狙い球を絞る技術は、強豪チームでは中学生からチームで徹底しておこないます。狙い球を絞れば打てるようになるという簡単な話ではありません。チームで徹底することで対戦相手のバッテリーにプレッシャーをかけて隙を生ませることができます。
小学生のうちは、ストレートしかこないので、アウトコース、インコースのどちらかのコースをイメージして練習、試合に望みましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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